洪水が市街地直撃、2人死亡 米東部
(CNN) 米国東部メリーランド州エリコットシティーの市街地が大規模な洪水に見舞われ1日までに2人が死亡、少なくとも25棟の建物に損傷などの被害が出た。同州のホーガン知事は31日、エリコットシティーの位置するハワード郡に非常事態宣言を出した。
ハワード郡の当局者によると、エリコットシティーでは30日の午後7時から2時間の間に150ミリを超える量の雨が降った。これは通常の1カ月分の雨量に相当する。この大雨を受け同当局者は、過去50年あまりで最悪の洪水が発生しているとの見方を示した。
ボルティモアから西に19キロ離れたエリコットシティーは人口6万5800人。歴史を感じさせる街並みが有名で、裕福な人が多く住むことでも知られる。洪水の様子を撮影したビデオには、水があふれて川のようになった道路を何台もの自動車が流されていくところが収められていた。
郡の緊急事態対策室の担当者は、住民が手をつないで人間の鎖を作り、濁流にのみ込まれそうになった人を助け出していたと説明した。
地元警察によると死亡した2人はペンシルベニア州の女性とメリーランド州の男性で、いずれも車を運転中に洪水の直撃を受けた。損傷して収容された車両の数は170台を超えるという。
中心部の建物200棟のうち4~5棟は倒壊。20~30棟に甚大な被害が出た。警察は危険を理由に、住民らが中心部へ戻ることを禁止している。