オクラホマ州、一部排水井の使用中止 原油採掘と地震関連か
ニューヨーク(CNNMoney) 米オクラホマ州で3日に地震が発生し、州当局が直後に非常事態を宣言して州内にある3200カ所の排水井のうち37カ所を封鎖した対応が、石油や天然ガス採掘と地震との関係を巡って全米の注目を集めている。
封鎖されたのは、石油や天然ガス掘削の過程で出た排水を地下深く注入する排水井。米環境保護局(EPA)によると、こうした排水井は全米に約4万カ所存在する。
オクラホマ州ではかつて地震はそれほど多くなかった。しかし2011年11月に起きた大きな地震で負傷者が出たり家屋が倒壊するなどの被害が発生。14年には、同州の地震が5000%増えたという統計が発表された。
地下への排水注入と地震活動の活発化との関係は何十年も前から調査が行われているが、まだ詳しいことは分かっていない。しかし米政府は今年3月、米全土の広大な地域で排水井が地震誘発の危険を増大させているとする専門家の見解を発表。オクラホマ州で3日に地震が発生した地域もその中に含まれていた。
州は何年も前から排水井の監視を続けており、今年1月には27の排水井に対して活動の抑制を指示。今回は37の排水井に対して10日間の使用中止を指示した。
ただ、排水井の使用中止や抑制が、必ずしも地震問題の解決につながるとは限らない。地面は注水量の急激な変化に敏感で、オクラホマ州が今回37カ所に対して10日間の使用中止を指示したのも、「突然大規模な封鎖が行われれば、地震を発生させかねない」との判断によるものだった。