米ジョージタウン大、奴隷272人の子孫に優遇措置
ニューヨーク(CNNMoney) 米首都ワシントンのジョージタウン大学は1日、19世紀の奴隷取引にかかわった過去を正式に認め、被害者約300人の子孫を入学選考過程で優遇する措置を発表した。
ジョージタウン大は1838年、メリーランド州南部のプランテーションで働いていた奴隷272人を売って債務の返済に充てた過去がある。
優遇制度はこの272人の子孫を対象に、選考過程で同大との関係を考慮する。
ジョン・ディジョイア学長は記者会見で、「ジョージタウンが奴隷制度に関与したことを認めなければならない。1862年に解放されるまで、ここには奴隷がいた」と語った。同大はこの歴史について謝罪するミサも開く。
同大は昨年9月、学生や教職員で構成する作業部会を設置して、奴隷制度に関与した歴史を償うための方策を検討。子孫探しに役立てるため、同大にいた奴隷の家系図などの情報や、1838年に売られた272人の氏名や年齢などを公表している。