過激派テロリストから大学の研究者に ある米国人男性の軌跡
(CNN) 米国を脅かすイスラム過激派組織のメンバーから名門大学の研究者に――。米ジョージワシントン大学のサイバー・国家安全保障センターにこのほど、国際テロ組織アルカイダ出身の米国人男性が採用された。
過激派から大学職員に転身した例は欧州に何件かあるものの、米国では初めてとされる。
ジェシー・モートン氏(37)はかつてアルカイダで「ユヌス・アブドラ・ムハンマド」と名乗り、新たなメンバーの勧誘を担当していた。同センターで過激派研究に取り組むシェーマス・ヒューズ氏は、特異な経験を持つモートン氏がテロ対策の研究に新たな視点を持ち込んでくれることを期待している。
モートン氏は過激派時代に米コロンビア大学で国際関係学の修士号を取っていた。ジョージワシントン大学では過激派の更生に直接かかわったり教壇に立ったりするわけではなく、執筆・研究活動に専念する予定だ。
ヒューズ氏はモートン氏の採用にあたり、連邦捜査局(FBI)や治安当局、弁護士らに相談。完全に改心したと確信したうえで決断を下した。
専門家によると、受刑者が刑期の短縮を狙って改心を装うケースもあるが、モートン氏にその兆候はみられないという。