元宇宙飛行士のJ・グレン氏、95歳で死去 米初の地球周回
米航空宇宙局(NASA)が宇宙開発計画に参加するパイロットを募集するとグレン氏はこれに志願。59年、アラン・シェパード氏ら6人とともに「マーキュリー7」として知られる米初の宇宙飛行士に選抜される。
そして62年2月、「フレンドシップ7」に搭乗して米国人としては初となる地球周回飛行を成功させた。
当時、米国は宇宙開発競争でソ連に先を越されていたことから、グレン氏の周回飛行成功は米国民を大いに元気づけた。また、当時のケネディ大統領の月の有人探査計画を後押しする結果ともなった。
だがグレン氏が国を代表する重要人物となったことで、ケネディ大統領はグレン氏が再び宇宙に行くことを認めなかったと伝えられる。グレン氏は64年にNASAを退職。74年に上院議員に初当選し、以来24年間、オハイオ州選出の民主党議員として活躍する。
84年には大統領選への出馬を決意するも、予備選で敗退。
政界引退後の98年、グレン氏はNASAからの誘いに応じて老化プロセスについての研究のため、スペースシャトル「ディスカバリー」で9日間のミッションに参加。グレン氏は当時77歳で、宇宙飛行の最高齢記録を打ち立てた。