グアンタナモ収容所の4人をサウジに移送、残り55人に
ワシントン(CNN) 米国防総省は5日、キューバ・グアンタナモ湾の収容施設にいた4人をサウジアラビアに移送すると発表した。これで同施設に残る収容者は55人に減る。うち19人は保安審査を済ませて移送可能と認定されている。
国防総省は声明の中で、「サウジアラビア政府が人道的な姿勢を示し、グアンタナモ湾収容施設の閉鎖を目指す米国の取り組みを進んで支えてくれたことに感謝する」と表明した。
オバマ大統領はトランプ次期大統領が就任する前に、グアンタナモ収容所の収容者をできるだけ減らしておきたい意向だと伝えられている。
トランプ氏は3日のツイッターで収容者の移送を批判、「これ以上釈放すべきではない。彼らは極めて危険な人物であり、戦場に戻ることを許してはならない」と主張していた。
これに対してホワイトハウスのアーネスト報道官は、「同氏は1月20日に就任すれば、自身が最も効率的だと信じる政策を遂行する機会がある」と一蹴。オバマ大統領の政策決定がトランプ氏の発言に左右されることはないと強調した。
今回移送された4人はイエメンの出身だが、政情不安に陥っている現在のイエメンには送還できず、米政府はサウジアラビアなどの第三国に受け入れを打診していた。
米国家情報長官室は昨年9月にまとめた報告書の中で、2009年1月以降に釈放された収容者161人のうち、9人がテロ支援活動に復帰し、11人は復帰した可能性があるとした。国防情報局はこの人数を15人としている。