米FBI長官解任、政権の意図に与野党から疑念
捜査当局の情報筋によると、コミー氏はこの日、ロサンゼルスのFBI事務所でテレビのニュースから自身の解任を知った。その場の雰囲気を明るくしようと冗談を飛ばしてみせた後、確認の電話をかけていたという。
スパイサー大統領報道官は、トランプ氏が同日、ローゼンスタイン司法副長官からコミー氏の不手際を詳細に記した長文の覚書を受け取り、これに基づいて解任を決めたと説明した。
だが実際には、トランプ氏は少なくとも1週間前からコミー氏の解任を検討していたと、複数のホワイトハウス当局者が指摘している。
解任の発表には民主、共和両党から批判的な声が相次いだ。民主党の上院トップ、シューマー院内総務は、トランプ氏への電話で「大変な間違いだ」と伝えたことを明らかにした。
ロシアの選挙介入問題を調べている上院情報委員会を率いる共和党のバー議員は、コミー氏の解任はFBIにとっても国家にとっても「損失」だと述べ、その「タイミングと理由」に懸念を示した。委員会の調査もさらに困難になるとの見方を示した。
共和党の重鎮マケイン上院議員は、大統領にFBI長官を解任する権限があることを認めたうえで、トランプ氏の決断に「失望した」と述べた。