暑さ対策で冷房完備の刑務所へ、受刑者千人を移送 米
(CNN) 米テキサス州の矯正施設管理当局は9日、州刑務所「ウォーレス・パック・ユニット」の受刑者約1000人が同日、冷房設備のある別の刑務所に移送する計画を発表した。
暑過ぎない気温下での服役環境を求めた2014年の訴訟を受けた措置。同刑務所は1983年に建設され、昨年の獄内の気温記録を見ると、華氏100度(摂氏約37.8度)を超えた日数が計13日間で、華氏約90度が55日間観測されていた。
連邦裁判所は先月、同刑務所に対し受刑者の健康を考慮して監房の低温環境を命じていた。裁判所判事によると、ヒューストン市から北西へ約46キロ離れたウォーレス・パック・ユニット刑務所で高温が理由の死亡は記録されていない。ただ、テキサス州矯正施設管理当局が関与する施設では1998年以降、少なくとも23人が死亡した。
テキサス州法によると、郡の刑務所所内の気温は華氏65度から華氏85度の間と求められている。ただ、州刑務所ではこの種の規定はない。
9日の移送先はオースティンとディボールの各刑務所。移送期間は不明だが、収容能力に問題があり長期にはならない見通し。
先月の連邦裁判所の判決で、テキサス州矯正施設管理当局は高齢者や身体障害がある受刑者らは華氏88度以下の監房に収容するための計画を15日間内に作成するよう命じていた。当局は計画立案には応じたものの、冷房設備を想定していない建物に冷房機器を据えることは割高になるとし、気温低下も疑問視していた。
また、ウォーレス・パック・ユニット刑務所内で一部の受刑者を冷房実施の区域に移すことは保安上、問題が生じるとし、他の刑務所への移送案を発表していた。