グアムを狙う北朝鮮ミサイル、米国は撃墜できるか
「これは実験的なシステムであり、外れる可能性も当たる可能性もある。確信は持てない。携帯電話でさえ、THAADよりもずっと多くの実験が行われているのに、それでも携帯電話が破裂することもある」(ベネット氏)
ミサイル撃墜を試みること自体、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の思うつぼかもしれないとベネット氏は言う。たとえ1発でも外せば、米軍の体面に傷がつくからだ。
米国が北朝鮮とグアムの間でミサイルを迎撃しようとすれば、ミサイル防衛の選択肢は主に2つある。
韓国に配備されたTHAADでは、グアムに向けて発射されたミサイルは撃墜できない。しかしレーダーでミサイルを早期に検知することは可能だ。
THAADはグアムにも配備されており、これで北朝鮮から飛んで来るミサイルを撃墜できる可能性はある。
「このシステムは複数の標的を同時に迎撃できるので、極めて現実的だ」とベネット氏は話す。
ただし、実効性は標的とするミサイルとの距離にかかっている。THAADの最長射程は200キロ。「それに近づくほど、システムの性能にストレスがかかる」(ベネット氏)
イージス弾道ミサイル防衛システムを装備した駆逐艦を使って、ミサイルが地球の大気圏に再突入する前に撃墜する手段もある。
「米国がイージスシステムをグアム周辺に配備して、二重の防衛態勢を取る可能性もある。しかしそれも大統領が決断することだ」とベネット氏。