米ヒューストンに「未曽有の豪雨」、被害拡大の恐れ
テキサス州ヒューストン(CNN) 米南部テキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」は上陸後、熱帯低気圧に変わって前例のない豪雨をもたらし、同州ヒューストンとその周辺で大規模な洪水が発生している。雨は今後も続く見通しで、被害はさらに拡大する恐れがある。
ハービーは温帯低気圧に変わった後、気圧の影響で動きが極端に遅くなり、時速3キロ前後とほぼ停滞している。
米国立気象局(NWS)によると、ヒューストンでは24時間の雨量が600ミリを超えた。同市では「破滅的な洪水」が発生し、今後4~5日続くことが予想される。
州沿岸部で31日にかけ、さらに400~600ミリの雨が予想される。一部の地域は最大で1200ミリの豪雨に見舞われる恐れもある。
ヒューストンでは道路が冠水するなか、車で出かけた女性が立ち往生し、車外へ出たところを流されて死亡した。
主要道路の一部は冠水で通行不能になっている。アボット知事は27日の記者会見で、車の運転は非常に危険だと呼び掛けた。
27日朝までに1000人以上の市民が救助されたが、当局は全ての通報に対応できず、緊急性の高いケースを優先せざるを得ない状況だという。
ヒューストン市内の学校は今週いっぱい休校となり、周辺で空港や病院の閉鎖が相次いでいる。停電世帯は31万6000件に及んだ。