米FDA、がん治療に初の遺伝子療法を承認
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は30日、新しい白血病の遺伝子療法「キムリア」を承認した。遺伝子療法が米国で承認されたのはこれが初めてだという。
キムリアは最初に投与された第1選択薬が効かない患者向けの治療法で、患者本人の免疫細胞を用いる。研究所に送られた免疫細胞はウイルスを使って遺伝子操作され、がんの源を識別し殺す力が付与されるという。この方法はキメラ抗原受容体T細胞(CAR―T)療法として知られている。
FDAのゴットリーブ局長は声明で「致死性のがんを攻撃できるよう、患者自身の細胞を再プログラムする能力を手に、われわれは医療の技術革新の新たなフロンティアに足を踏み入れた」と述べた。
FDAの諮問委員会は7月に、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)の再発患者向けの治療薬として承認するよう勧告していた。
データによれば、この治療薬を投与された患者の6カ月生存率は89%で、1年生存率は79%。この時点で患者の半数超は再発していないという。
米疾病対策センター(CDC)によれば、2014年に米国でALLと診断された患者の数は約5000人。半数以上が子どもや10代の若者で、米がん研究所によれば子どもがかかるがんのうち最も多いという。
多くの患者は放射線療法や化学療法、幹細胞治療といった治療法で回復するが、再発した場合の予後は悪い。