ハリケーンで空調が故障、老人ホームの死者14人に 米
(CNN) ハリケーン「イルマ」に直撃された米フロリダ州で、停電に見舞われた老人ホームに入居していた2人の死亡が新たに確認された。地元警察が9日に発表した。この1カ月あまりの間に死亡した同施設の入居者は、これで14人になった。
新たに死亡が判明したのは、同州ハリウッドの老人ホームに入居していた90歳と95歳の女性。このうち90歳のセシリア・フランコさんは、同じ施設にいた夫のミゲルさんもハリケーン直撃の翌週に死亡していた。
同施設では、9月13日までに71~99歳の入居者8人の死亡が確認され、翌週にはさらに3人、その次の週には1人が死亡した。
フランコさんの遺族らは同施設が適切な介護を怠ったとして、9月に同ホームを相手取って訴訟を起こしている。
死因は公表されていないものの、同施設から避難した入居者141人は、多数が熱中症関連の症状で治療を受けていた。ハリウッド市警は全員の死亡について刑事事件として捜査に乗り出し、州と連邦機関も行政調査を行っている。
同施設では、ハリケーンに伴う倒木のために変圧器が故障して空調に電力が供給されなくなり、入居者の多くは扇風機や部分空調のある廊下に移された。フロリダ州当局によると、当局者が何度も連絡を取っていたにもかかわらず、同施設は入居者が危険にさらされていることも、避難させる必要があることも報告しなかったとされる。
同施設は、当局による調査に全面的に協力すると表明している。施設は既に閉鎖され、職員245人は一時解雇された。