トランプ大統領が初の一般教書演説 「結束」呼び掛け、1年の成果強調
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は30日、上下両院合同会議で初の一般教書演説に臨み、就任から1年の成果を強調したうえで、党派を超えた国全体の結束を訴えた。
一般教書演説は、米大統領が年頭に連邦議会で「国家の現状」を報告し、施政方針を示す演説だ。トランプ氏はまず「国家の現状は強固である。国民が強いからだ」と述べ、「我々はともに安全で強く、誇り高い米国を築いていく」と宣言した。
同氏は国内での成果に演説の大半を費やした。株式市場の好調ぶりや失業率の低下を強調したうえで、「違いはさて置き共通点を見出そう」と、議員らに結束を呼び掛けた。さらに「全ての国民にとって米国を再び偉大な国にする」という自身の目標を改めて強調した。
トランプ氏自身の発言が繰り返し意見の対立を呼び、ロシアによる大統領選介入疑惑の捜査も本格化するなかで、1時間余りの演説が目標の達成につながるかどうかは明らかでない。同氏は演説で、ロシア疑惑の捜査には言及しなかった。
具体的な政策としては、昨年末に署名した税制改革法案に基づく大型減税を実施すると述べ、規制緩和が産業界の繁栄につながっていると自賛。国民と政府の信頼回復に努めてきたとも語った。
移民制度改革にも言及し、「私の任務、そしてここにいる全議員の任務は国民を守ること。国民の安全を、家族を、地域社会を、そしてアメリカン・ドリームへの権利を守ることだ」と力説した。
トランプ氏は昨年、幼少時に親に連れられて米国へ不法入国した若者の強制送還を免除する措置「DACA(ダカ)」の撤廃を表明した。DACAの対象になった若者たちが「ドリーマー(夢見る人)」と呼ばれていることを受けて、「米国民もドリーマーだ」と主張した。
歴代大統領の一般教書演説と同様、議場には15人のゲストが招かれた。この中には、戦没者の墓に星条旗をかける運動を主導した12歳の少年もいた。トランプ氏は少年を紹介した後、国旗や国歌に敬意を示すことの重要さを語り、米プロフットボールリーグ(NFL)の国歌斉唱で起立を拒否した一部選手を暗に批判した。