米、ロシア政権に近い有力者のリスト発表 追加制裁は見送り
ワシントン(CNN) 米財務省は29日、ロシアへの制裁強化を盛り込んだ国内法に基づき、プーチン政権とつながりの深い政治家や資本家のリストを発表した。ただし「これは制裁リストではない」と強調した。
リストは同法が定めた期限の直前、29日深夜に公開された。「公開済み情報からの客観的な基準に基づく」名簿とされ、ロシアの閣僚や議会幹部ら114人と資本家96人が掲載されている。
ロシアへの制裁強化は、同国による米大統領選介入や人権侵害、クリミア併合、ウクライナ東部への軍事介入に対する措置として、昨年成立した「敵対者制裁法」に盛り込まれていた。
ロシアはリストの発表に強い警戒感を示し、米ロ間の緊張を高めて「非常に重大な結果」を招くと予告していた。
同法はまた、トランプ政権が29日までにロシアの防衛、情報機関と取引する企業や個人を名指しし、追加制裁の対象とすることを定めていた。
しかし米国務省当局者はこの日、「制裁強化法自体に抑止作用があり、特定の企業や個人に制裁を科す必要はない」との見解を示した。
これに先立ち、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日の電話会見で、米国による制裁強化の可能性を「3月に予定されるロシア大統領選に介入しようとするあからさまな試みだ」と非難していた。
国務省が追加制裁の見送りを決めたことに対し、野党・民主党議員からは「民主主義への攻撃」を容認することにつながると、批判する声が上がっている。