元生徒が銃撃認める供述、フロリダ高校銃乱射
(CNN) 米フロリダ州の高校で14日に起きた銃乱射事件で、容疑者として逮捕された元生徒の男(19)が警察の調べに対し、犯行を認める供述をしていることが、供述調書で明らかになった。
逮捕されたニコラス・クルーズ容疑者は、AR15型ライフル銃1丁を持って校内に侵入し、廊下や校庭で見かけた生徒を銃撃したと供述。銃弾を込めた弾倉をバックパックに入れて隠し持っていたとも話している。
同容疑者は17人に対する計画的殺人の容疑で取り調べを受けている。この事件では生徒や教職員17人が死亡し、少なくとも14人が病院に運ばれた。
クルーズ容疑者は15日、留置場からのビデオ中継を通じて裁判所の審問を受けた。しかし自分の氏名を名乗った以外は何も証言せず、保釈は認められないと告げられると無言でうなずいた。
公選弁護人は15日、記者団に対し、クルーズ容疑者は自殺の恐れがあるとして経過観察を受けていたことを明らかにした。以前から重度の精神疾患があり、「感情的にかき乱された状態だった」としている。
フロリダ州のスコット知事は15日、精神疾患をもつ人物が銃に触れることを防ぐ手立てについて検討すると表明。「精神疾患のある人物が銃を手にすることがあってはならない」と強調した。
弁護士によると、クルーズ容疑者は養子として育てられていたが、養母が昨年11月に死亡し、現在は知人の家庭に滞在していた。同居していた家族は同容疑者のうつ状態については認識していたが、重大な事件を起こすような兆候はなかったと話しているという。
米国では今回の事件を機に、銃規制強化を巡る論議が再燃している。米国の中学校や高校で銃撃事件が起きたのは、今年に入って少なくとも4度目。2012年に児童20人と大人6人が殺害されたコネティカット州のサンディフック小学校の惨事から5年たった今も、学校での銃乱射事件は後を絶たない。