シリアから「早期撤退」、軍幹部らの懸念にトランプ氏反発
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が中東シリアに駐留する米軍について早期の撤退を示唆している件で、米軍幹部や安全保障チームから、撤退は賢明な判断ではなく、撤退のスケジュールも提示できないとの声が出ていることについて、トランプ氏がいら立ちを募らせていることがわかった。情報筋が明らかにした。
政権幹部によれば、トランプ氏は安全保障チームとの会談で、当該の地域へ支出されている米国の資金額について不満を漏らし、米国には何の見返りもなかったと述べたという。
トランプ氏はまた、同地の湾岸諸国といった資金的に余裕のある国々がなぜ介入を行わないのか質問したという。
トランプ氏は不満を表明しつつも、シリアからの即時の撤退については実施しないことに合意している。
こうしたシナリオはトランプ氏が大統領職に就いて以降、繰り返されている。イラン核合意やアフガニスタン戦略、関税など、特に選挙時の公約を守れていないとみたときにトランプ氏は顧問らと衝突を起こす。安全保障チームの刷新を進めるなか、トランプ氏は顧問らに対し、自身の中核となる信念に同意することをはっきりと求めている。
軍当局者は、今シリアから撤退することは誤った行動だとの見方でほぼ一致している。
軍幹部からは、今シリアから撤退すれば、ロシアやトルコ、イランといった米国と対立する国々に進出の機会を与えることになる可能性があるとの見方が出ている。