米海軍、第2艦隊を復活 ロシアの脅威に対抗
ワシントン(CNN) 米海軍は6日までに、ロシアの脅威の高まりに対抗するため第2艦隊を復活させるとの方針を明らかにした。
同艦隊の作戦担当海域は米東部沿岸と大西洋北部。この海域はロシアの脅威増大への対処と大国間競争への注力を強める米国の新たな国防戦略にとって重要視されている。
海軍制服組トップのリチャードソン海軍作戦部長はバージニア州ノーフォークでの司令官交代式典で、米国を取り巻く安全保障環境はより挑戦的かつ複雑化しており、特に大西洋北部の情勢に対応するため第2艦隊を再生させたと主張した。
トランプ政権が打ち出した新たな国防戦略はロシアや中国への対抗を優先事項としている。米海軍当局者はCNNの取材に、大国間競争への回帰は大西洋での作戦への注力を求めていると述べた。
第2艦隊は2011年、国防費削減や戦略的な安全保障環境の変化を踏まえ解体されていた。同艦隊は第2次世界大戦後の第2艦船編成部隊が前身で1950年に第2艦隊に改称され、北大西洋条約機構(NATO)支援などを主要任務としていた。
米海軍当局者によると、今回復活する第2艦隊には軍人250人が配属され、中将の司令官を充てる。同艦隊の指揮下に入る艦船数や種類などは伝えられていない。
米政府当局者はロシアの海軍戦力の能力増強への懸念を示してきた。特に大西洋での潜水艦部隊の存在や艦船の存在感の高まりに警鐘を鳴らしてきた。リチャード・スペンサー海軍長官は連邦議会で先月、ロシアが一部の米軍潜水艦との技術的な格差を埋めつつある新型潜水艦の建造に着手したことに言及。「我々はその格差が狭まらないことに尽力している」などと主張していた。