不法移民は親子一緒に拘束を、トランプ米大統領が姿勢転換
ワシントン(CNN) 米国に入国しようとした不法移民の親子が引き離されて別々の施設に収容されている問題で、トランプ大統領は20日、これまでの姿勢を覆し、親子を一緒に収容できるよう求める大統領令に署名した。
大統領令は、入国管理手続きが終わるまで親子を一緒に拘束する権限の強化を求める内容。この手順は直ちに開始される見通しだが、法的課題に直面する公算は大きい。
ただ、当局によると、既に拘束された子どもについては、新たに特別な措置を講じる予定はないという。
米政府はこれまで、不法入国した大人は全員を司法省に引き渡して刑事訴追すると強調、そのためには親子を引き離すほか選択肢はないと説明していた。
しかし大統領令では、政権の政策として「親子の結束維持」を打ち出した。不法入国した大人は今後も司法省が連邦裁判所に起訴するが、法や施設が許す限り、親子は一緒に収容することを求めるとしている。
今後は起訴される大人も司法省には引き渡さず、国土安全保障省が管理する施設で子どもと一緒に拘束する。政権はこれまで、そうした対応は不可能だと説明していた。
トランプ大統領は今回の大統領令について、「これは非常に重要な大統領令だ。家族を一緒に居させながら、同時に極めて頑強な国境を保証する」と強調した。
不法入国者の親子を引き離す対応を巡っては、子どもが泣いたり、一部は劣悪な環境で収容されていたりする様子が報じられ、与野党や宗教関係者、世界の指導者からも非難の声が強まっていた。