保管庫故障で卵子全滅、病院側は「賠償責任なし」と主張
(CNN) 米オハイオ州クリーブランドの病院にある不妊治療施設で凍結保管庫が故障し、患者から採取した卵子などが全滅状態になった問題で、患者や家族らが起こした訴訟に対し、病院側は先週、法廷に提出した文書で賠償責任を否定した。
この施設では今年3月、無人状態の週末に突然、凍結保管庫の温度が上昇。遠隔警報装置のスイッチが切れていたために対応が遅れ、卵子と受精卵4000個以上が解凍されて全滅状態となった。
被害を受けた家族は少なくとも950世帯に上った。このうち数世帯が病院を訴えている。
病院側は文書の中で、人工授精にはいくつかのリスクが伴い、患者側もそのリスクを受け入れる同意書に署名していたと主張。故障の原因が人為ミスとは限らず、ミスだったとしても病院には予測不可能だったとして、責任を否定している。
原告の中には、卵巣がんと子宮がんの診断を受けて長期保管を依頼した女性もいる。この女性は3月の時点で「世間には卵子や受精卵でも、私たち夫婦にとっては2人の将来の子どもたちだ」と話していた。