トランプ大統領がNATO首脳に書簡、国防費増額求める 米紙報道
(CNN) ブリュッセルで来週開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に、トランプ米大統領が先月、NATO加盟国の首脳らに国防費の増額を求める書簡を送っていたことが分かった。2日付の米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。
事情に詳しい情報筋はCNNの取材に対し、書簡の存在を認めたものの、書かれた文言は確認しなかった。書簡について説明を受けた別の外交筋によると、「非常に厳しい」内容で、米国の我慢が限界に達しつつあるとの警告も含まれていたという。
ニューヨーク・タイムズによれば、書簡はドイツやカナダ、ベルギー、ノルウェーなどに送られた。どれも似たような文言が入っていたが、メルケル独首相にあてた書簡は特に批判的だった。
書簡を読んだ関係者による要約として同紙が伝えたところによると、トランプ氏はこの中で、ドイツの国防費が不十分な状態が続けば、同国を手本にするほかの加盟国にも示しがつかないと主張。
NATOのメンバーが負担を共有していないのに米軍兵が派遣先で命を落としたり、重傷を負ったりする状態では、米国民を納得させることが難しくなると主張した。
トランプ氏はさらにメルケル氏やカナダのトルドー首相、ノルウェーのソルベルグ首相らに対し、各国の国内から国防費増額に抵抗する政治的圧力があることは承知していると述べたうえで、米国では増額のために相当の政治力を駆使したと強調している。
NATO加盟国は2014年の首脳会議で、国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とする目標を設定した。トランプ氏はこれまでも、ほとんどのメンバーがこの目標に達していないと批判し、「米国民にとって不公平だ」と繰り返し訴えてきた。