駐エストニア米大使が辞任表明、トランプ政権の政策に抗議
(CNN) 米国のジェームズ・メルビル駐エストニア大使が7月29日付で辞任すると表明した。欧州の同盟諸国に対するトランプ大統領の発言に不満をつのらせたためとみられている。トランプ政権の発足以来、国務省からはすでに多くの高官らが去り、大使の辞任も3人目となる。
米外交誌「フォーリン・ポリシー」が6月29日に報じ、外務省報道官が確認した。
メルビル氏は同誌が引用したフェイスブックへの投稿で、「外交官のDNAは政策を支援するようにプログラムされている。我々は新人時代から、それができなくなった時は、特に指導的な立場にある場合には、辞任するのが潔い道だと教えられてきた」「私はこれまで6人の大統領と11人の国務長官に仕えてきたが、自分がその時を迎えるとは思ってもいなかった」と述べた。
同氏はさらに、トランプ大統領が欧州連合(EU)を「米国につけ込むための組織」と批判し、北大西洋条約機構(NATO)を「北米自由貿易協定(NAFTA)」と同じくらいひどい」と評した発言を挙げ、「事実として間違っているだけでなく、私に去る時が来たことを明確に示している」と強調した。
メルビル氏に続き、国務省のスーザン・ソーントン次官補代行(東アジア・太平洋担当)も同日、職員らへのメールで7月に辞任する意向を伝えた。
ソーントン氏はティラーソン前国務長官の強い推薦で国務次官補に指名されていたが、後任のポンペオ長官が指名撤回を示唆していた。
国務省では昨年11月、ケニアへ派遣されていた外交官がトランプ政権への怒りをあらわにして辞任。今年1月に駐パナマ大使、3月には駐メキシコ大使が同様の理由で任を退いている。