トランプ氏、ベネズエラへの軍事侵攻について助言求める 昨年8月
(CNN) トランプ米大統領が昨年8月、外交政策の助言に当たる複数の高官に、ベネズエラへの軍事侵攻の可能性について尋ねていたことが5日までに分かった。事情に詳しい政権高官が明かした。米国の対ベネズエラ制裁に関する協議の中で出た発言だという。
当時のマクマスター補佐官(国家安全保障問題担当)らトランプ氏の側近は、軍事侵攻の案に強く反対。軍事行動は裏目に出る可能性があると警告し、中南米の同盟国もこうした極端な措置に断固反対していると説明した。
ベネズエラは政治的、経済的な危機に見舞われているが、米国はこれまでのところ外交や制裁のみに焦点を置いた対応を取っている。軍事行動に踏み切れば、米国のこうした姿勢は劇的に先鋭化することになる。
ただ、この政権高官は「軍事攻撃に向けた差し迫った計画」はないと強調した。一連の発言については、思いついたことを口にするトランプ氏の手法から出たものだと指摘した。
トランプ氏の発言は側近との内々のやり取りの中で出たもの。その前日には、ティラーソン国務長官(当時)やヘイリー国連大使と公の場に姿を現し、ベネズエラに対し「軍事的選択肢」を取る可能性を排除しないと述べていた。
トランプ氏は翌月にも、国連総会の場などで中南米諸国の首脳に軍事攻撃の可能性を提起した。これに対し、いずれの首脳も米国によるベネズエラ侵攻は望ましくないとの認識を示していた。