イラン核合意で米の支持を、駐英米大使が英に呼びかけ
ロンドン(CNN) ウッディ・ジョンソン駐英米大使は12日、英国に対して、イラン核合意からの離脱を表明したトランプ米大統領を支持するよう呼び掛けた。英紙サンデー・テレグラフへの寄稿で述べた。
ジョンソン大使は、英国は米国による対イラン経済制裁再開を受け入れ、合意の維持を目指す欧州各国とは距離を置くべきだと指摘した。
ジョンソン大使は「米国は圧力を強めている。英国に我々の側に立ってほしい。不備のある2015年の合意から先に進む時が来た」と述べた。
イラン核合意は15年、オバマ政権時代の米国とイラン、英国、フランス、ドイツ、中国、ロシアによって成立した。しかし、今年5月、トランプ大統領は核合意からの離脱を表明した。
ジョンソン大使は、英国に対し、強い外交力と影響力を駆使して、米国とともに、真の包括的な合意を目指す世界的な協調した取り組みを主導してほしいと求めた。
先週発表された共同声明で、英国はフランスとドイツとともに、イラン核合意は機能しているとし、米国による経済制裁の再開について「深い遺憾」を表明していた。欧州各国は「ブロッキング規制」と呼ばれる措置で、イランで事業を行う欧州企業が経済制裁によって受ける影響を緩和しようとしている。
一方、ジョンソン大使は英実業界に対して、イランとのつながりを断ち切るよう促した。「善意よりもイランでの商業的利益を優先させるあらゆる事業者は米国との通商で深刻な結果に直面する危険性があることをトランプ大統領は明確にしている」とも指摘した。