ホームレスと女性の助け合い、「美談」が裁判沙汰に発展 米国
(CNN) 所持金わずか20ドルしか持っていなかったホームレスの男性が、車が動かなくなって困っていた女性のために、そのお金をはたいてガソリンを購入した。女性はこの男性を助けるため、ボーイフレンドと一緒に40万ドル(約4400万円)の寄付を集めた――。
昨年10月、米国で話題になったこの「美談」が、寄付金の受け取りをめぐる争いに発展し、裁判に持ち込まれた。
裁判はホームレスだったジョニー・ボビットさんと、寄付金を集めた女性のケイト・マクルーアさんおよびボーイフレンドのマーク・ダミコさんの間で争われている。
ニュージャージー州の裁判所は30日、マクルーアさんとダミコさんに対し、寄付金の使途に関する会計報告を提出するよう命じ、それまでの間、残金はボビットさん側に引き渡して信託に預けるよう指示した。
CNN系列局のWPVIとKYWによれば、ボビットさんの弁護士は、マクルーアさんとダミコさんがクラウドファンディングサイトで集めた寄付金を自分たち自身の個人口座に保管していたと主張している。
ボビットさんに支払われた金額に関する主張も食い違う。カップル側は、ボビットさんに20万ドル以上を渡したと主張しているのに対し、ボビットさん側は、受け取ったのは約7万5000ドルだったと主張しているという。
これに先立ちマクルーアさんはフィラデルフィア・インクワイアラー紙の取材に対し、薬物依存症のボビットさんを助けるために、自分たちはできることをしたと説明。寄付金の半分以上はボビットさんに渡し、残りはボビットさんが仕事を見つけて麻薬依存状態を脱出するまで取っておくと話していた。