「米ハーバード大学がアジア系を差別」 歴史的裁判、冒頭陳述開始
ボストン(CNN) アジア系米国人の学生団体が入試で不当な扱いを受けたとして米ハーバード大学を提訴した裁判で、15日から米連邦地裁で冒頭陳述が始まる。この裁判は、アフリカ系やラテン系の学生を優遇してきたアファーマティブ・アクション制度に反対する保守派が後押ししており、全米の大学に影響を与えることも予想される。
アファーマティブ・アクションは、多様な人種の学生を入学させる目的で導入された制度。保守層の狙いは、同制度を支持した1978年の最高裁判決を覆すことにある。
今回の裁判では双方とも、いずれ最高裁に持ち込まれることを予想している。最高裁は、保守系の判事がトランプ大統領に指名された2人を含めて5人になり、1978年の判決が覆される可能性もある。
原告の公正な入試を求める保守系の学生団体は、ハーバード大学を相手取って2014年11月に訴えを起こした。同大が行った不当な「人種バランス調整」によって、アフリカ系とヒスパニック系の合格率が高まる一方、アジア系の学生の合格率は低くなったと訴えている。
アジア系の中には、他の志願者よりも高い点数を取らなければ有名大学には合格できないという不安を抱く学生もいる。ただ、アジア系の学生といっても経歴や学歴はさまざまで、入試で人種を考慮する制度は一切やめるべきだという主張を支持する意見もあれば、多様性を追求する目的で人種を考慮するハーバード大学の立場を支持する意見もある。