アフガン民間人の死傷者が急増、米軍関与の空爆で 国連報告書
(CNN) アフガニスタンで空爆によって死傷する民間人が急増し、前年に比べて39%増えたことが、国連がこのほどまとめた報告書で明らかになった。17年にわたって戦闘が続く中、米軍とアフガン軍による空爆は記録的な規模に達し、反政府勢力による自爆テロなども後を絶たない。
国連が10日に発表した民間人の死傷者に関する四半期統計によると、今年に入って空爆で死傷した民間人は、既に昨年1年間の総数を超えた。
これに先立ち米軍の司令官は、反政府武装勢力タリバーン掃討を目指して空爆を強化すると宣言。トランプ大統領も、アフガンで勝利を収めるためとする戦略を打ち出していた。
米軍はアフガン空軍の訓練に協力したり武器を提供するなどして、長引く戦争への関与を強めている。しかし米軍が供給した非誘導型爆弾で民間人が犠牲になっている実態が明らかになり、懸念も強まっている。
国連の報告書によると、米軍とアフガン軍による空爆で、今年に入って死傷した民間人は649人に上る。これは2017年の同時期に比べて39%多く、同年の年間を通じた合計631人をも上回った。今年の死傷者の60%は女性と子どもだった。
民間人を死傷させた空爆については、米軍とアフガン軍がほぼ同数を占め、7月には米軍機がほぼ記録的な数の爆弾を投下した。米軍による1カ月の空爆回数が最も多かったのは、駐留米兵の数が現在の8倍だったオバマ政権下の2010年だった。
一方、反政府勢力による爆弾などの攻撃で死亡した民間人はアフガン全土で今年1~9月にかけて2798人に上り、前年同時期よりわずかに増えた。