米死刑囚、刑執行前の最期の言葉は「さあ、やろうか」
(CNN) 米テネシー州の刑務所で3日までに電気椅子による死刑執行が実施され、地元メディアは63歳の男性死刑囚が執行前に「さあ、やろうか」との最期の言葉を残したと報じた。
今回の死刑執行は1日のことで、電気椅子の使用は米国内では過去5年で初の事例としている。エドマンド・ザゴルスキー死刑囚は1984年に男性2人を殺害した罪で服役していた。電気椅子は同死刑囚が選択していたという。今回の執行は連邦最高裁への訴えが却下されたことを受けた。
地元紙記者によると、顔面にスポンジとヘルメットが装着される前、笑顔も見せた。その後、しかめ面になったという。
また、地元のCNN系列局「WTVF」の記者によると、受刑者用の白色のズボンと黄色のシャツ姿のザゴルスキー死刑囚は執行前に左手を振ったり、持ち上げるような仕草も示した。黒色の布で顔面を覆われた後にも同様のジェスチャーを見せていた。
刑務官が最期の言葉を尋ねた時、「さあ、やろうか」と応答したという。
テネシー州で死刑執行に電気椅子が使われたのは1960年以降は2007年の1件だけだった/Mark Humphrey/AP
同死刑囚の犯行の犠牲者の親族らも執行に立ち会った。ただ、取材陣との接触には応じなかった。
米国の州で薬物注射の代替手段として電気椅子による死刑執行を認めているのは9州。テネシー州は2014年、薬物注射用の薬物が確保出来なかった際、電気椅子の使用を義務付ける最初の州ともなっていた。また、同州には、1999年1月1日前に死罪となった受刑者が電気椅子による執行を選べる州法がある。
同州では2007年、息子3人と前妻の娘を殺害した死刑囚が電気椅子を選択する事例があった。同州はそれまで47年間にわたって電気椅子を使用していなかった。