ワシントン(CNN) ロシアの米大統領選介入疑惑をめぐる捜査で、トランプ大統領がマラー特別検察官に提出した書面回答のうち鍵となる2点が29日までに判明した。事情に詳しい情報筋2人が明らかにした。
これによれば、トランプ氏はマラー氏に対し、内部告発サイト「ウィキリークス」について助言役のロジャー・ストーン氏から聞いたことも、2016年にトランプタワーで行われた会合について知らされたこともなかったと伝えたという。
トランプタワーでの会合には、トランプ氏の息子や陣営関係者のほかロシア人の弁護士も出席しており、民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官に不利な情報を提供すると約束していた。
情報筋の1人は回答内容を直接引用することはなかったものの、記憶に残る範囲でベストの回答をしたと大統領が強調したことを明らかにした。
トランプ氏の書面回答について手がかりが得られたのは初めて。マラー氏は捜査を決着させたい考えで、現在は最終報告書をまとめている段階だ。マラー氏によるロシア疑惑の捜査では、ウィキリークス問題とトランプタワーでの会合が焦点となっている。
大統領の弁護チームは先に、マラー氏への回答について、トランプ氏の公の発言と一致した内容になると明かしていた。ただ、書面回答の内容が虚偽だった場合、刑事責任を問われる可能性もある。
ウィキリークスの件では、同サイトによる民主党全国委員会とクリントン陣営のジョン・ポデスタ選対本部長のメールの暴露について、ストーン氏が事前に把握していなかったか調べが進められている。