トランプ氏、「壁」予算で民主指導部と激論 「政府閉鎖辞さず」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで野党・民主党のシューマー上院院内総務、ペロシ下院院内総務と面会し、メキシコ国境に壁を建設する予算をめぐって激しい議論を繰り広げた。予算確保のためには連邦政府機関の閉鎖も辞さないと明言した。
議論の大部分は生放送で公開された。トランプ氏はこの中で、自身が公約に掲げてきた壁の建設費を確保することが重要だと繰り返し強調。これに対してシューマー、ペロシ両氏は、今月21日の期限までに予算が成立せず、政府機関が閉鎖される事態となれば、それはトランプ氏の責任だと主張した。
予算審議では、トランプ氏が壁建設費として50億ドル(約5600億円)を求めているのに対し、上院では国境の警備強化に16億ドルを計上する超党派の合意が成立している。
ペロシ氏は議論の場で、トランプ氏が50億ドルにこだわった場合に予想される政府閉鎖を「トランプ・シャットダウン(閉鎖)」と呼び、シューマー氏も同じ言葉で批判した。
一方、トランプ氏は「国境の安全のためなら胸を張って政府を閉鎖する」「私の責任で閉鎖する。君たちを責めるつもりはない」と言い返した。
トランプ氏は同日午後のテレビ取材でも、国境警備のために政府閉鎖もいとわないと改めて力説し、「国にとって必要なことだ」と述べた。
米中間選挙では与党・共和党が上院の過半数を維持したが、下院では年明けから民主党が多数派となる。この日の議論は平行線をたどり、「ねじれ議会」の紛糾を予想させる展開となった。