米博物館、ウラン鉱石を長年放置 基準値超えの放射線に「被ばく」か
しかしスティーブンソン氏によると、この作業に当たった職員は、市販のガーデニング用の手袋をはめて放射性物質の入ったバケツを移動させ、モップハンドルを使ってバケツを持ち上げ、トラックに乗せていた。
スティーブンソン氏は11月、この問題について労働安全衛生局に申し立てを行い、翌日には防護服を着た専門家が博物館の立ち入り検査を実施。その結果、職員がウラン鉱石を破棄した後、バケツを館内に戻していたことが分かった。
労働安全衛生局は、この問題について11月28日から調査に乗り出している。
一方、放射性物質に詳しいジョージア工科大学のアナ・エリクソン氏は、博物館の入場者に健康被害が出ることはなさそうだと指摘。「ウラン鉱石には天然の(濃縮されていない)ウランが含まれていて、比較的少量の放射線を放出する」としながらも、「バケツから5フィート(約1.5メートル)の放射線量が極めて低かったことから判断すると、来場者に関して健康被害が生じた可能性は疑問だ」としている。
スティーブンソン氏によると、学校の遠足などで訪れた子どもたちが問題のバケツの近くを歩き回っていたこともあるという。しかし毎日ウランの近くで働いていた職員やインターンの方が心配だと同氏は話している。