先住民長老と対峙した高校生、米紙を相手取り訴訟
ニューヨーク(CNN Business) 米首都ワシントンのリンカーン記念館前で先住民男性と向き合う場面の動画が拡散し、侮辱的な行動だとして非難を浴びた男子高校生が、米紙ワシントン・ポストに損害賠償を求める訴訟を起こした。
訴えを起こしたのはケンタッキー州のカトリック系男子校に通うニコラス・サンドマンさん。訴訟を担当する法律事務所が19日、ウェブサイト上で発表し、「これは始まりにすぎない」と強調した。
原告側は、サンドマンさんがカトリック系の白人生徒であることや、動画の中で「米国を再び偉大に」というトランプ大統領のスローガンが書かれた赤い帽子をかぶっていたことなどの理由から、ワシントン・ポストがサンドマンさんをいじめの標的にしたと主張。同紙が「サンドマンさんを攻撃、中傷、脅迫する主流メディアとソーシャルメディアによるいじめ集団」の先頭に立とうとCNNやNBCテレビと競い、「現代版の赤狩り」を繰り広げていると非難した。
ワシントン・ポストの報道担当者はCNN Businessの取材に対し、訴状を精査していると述べたうえで、徹底抗戦の構えを示した。
サンドマンさんの高校のグループは先月18日、ワシントンで人工妊娠中絶反対の集会に参加した後、リンカーン記念館前で待機していた。この場所では同日、先住民への差別に抗議する集会も開かれていた。