米下院民主党、トランプ氏巡る包括調査に着手 司法妨害疑惑など
(CNN) 米下院司法委員会のナドラー委員長(民主党)は4日、トランプ大統領の選挙陣営や事業、権力移行、政権運営をめぐる包括的な調査を行うと発表した。民主党がトランプ氏に対する弾劾(だんがい)手続きに入る場合、今回の調査が地ならしとなる可能性がある。
司法委員会はこの日、81の個人と団体に書簡を送付。送り先にはホワイトハウスや司法省、選挙陣営幹部、トランプ氏一族の中核企業「トランプ・オーガナイゼーション」の関係者、トランプ氏の息子らが含まれる。2週間以内に文書や通信記録を提出するよう求めている。
調査ではこれを端緒に、汚職や司法妨害、女性への口止め料の支払い、ロシアとの共謀、権力乱用や私益目的の権限行使といった疑惑に切り込む方針。
共謀や司法妨害の可能性をめぐっては、マラー特別検察官の捜査が近く終結するとみられている。
弾劾手続きに入る場合には、今回の調査で収集した証拠が根拠となる可能性がある。手続きは司法委員会主導で進められるとみられるが、ナドラー氏はこれまで弾劾の議論を時期尚早としている。
米ABCテレビとのインタビューでは「現時点では証拠を全て整理できていない」「弾劾の前に、その必要性に関して米国民を説得しなければならない」と説明した。一方で、大統領が司法妨害に及んだのは「明白」だとも指摘した。
一方、司法委員会の共和党トップを務めるコリンズ下院議員は声明で、マラー氏の報告書の内容判明を待たずに別の調査に乗り出したと民主党を批判。「ナドラー委員長は大統領の司法妨害に関してやみくもに予断を下したうえ、自身の結論を補強する目的で証拠を集めている」と述べた。