ナバホ族の「コードトーカー」が死去、97歳 2次大戦に従軍
(CNN) 第2次世界大戦時、破ることができないとされた暗号を駆使する通信兵(コードトーカー)として従軍したナバホ族出身の元海兵隊フレミング・ビゲイ氏が死去したことが15日までにわかった。97歳だった。ナバホ・ネーションの大統領が明らかにした。
ビゲイ氏は1921年、アリゾナ州レッドバレーで生まれた。コードトーカーとして1943年から1945年に従軍し、タラワやテニアン島など太平洋方面で戦った。今月10日に死去したが死因は公表されていない。
ビゲイ氏はコードトーカーのひとりとして暗号を習得。暗号は、第2次大戦中、無線や電話を通じて戦術や部隊の移動、命令に関する情報を届けるのに使われた。この暗号は日本軍に解読されることはなく、硫黄島やサイパンでの勝利に大きく貢献した。硫黄島では48時間の間に誤りのない800を超えるメッセージを送ったとされる。
ビゲイ氏は2017年11月にホワイトハウスで表彰を受けた当時生存していた3人のコードトーカーのひとりだった。
米軍は第1次世界大戦時にチョクトー族の言葉を暗号の一部として使用していた。米中央情報局(CIA)によれば、その後、日本やドイツがチョクトー族やそのほかの先住民の言語を習得するよう取り組んだという。
しかし、ナバホ族の言葉は、ナバホ族でない人々にとっては難解であるほか、文字に書かれることもなかった。こうしたことから海兵隊は1942年から29人のナバホ族の訓練を開始。模擬戦ではナバホ族の暗号が当時使用していた暗号用の機械よりもはるかに高速なことが証明されたという。
ナバホ族のコードトーカーが通信を行う様子=1943年7月/PhotoQuest/Archive Photos/Getty Images
終戦までに400人を超えるナバホ族が暗号を習得した。
コードトーカーについて機密が解除されたのは1968年。彼らの存在が広く知られるにはさらに多くの年月が必要だった。2001年には当時のブッシュ大統領が初期の29人に対して議会名誉黄金勲章を贈っている。