ワシントン(CNN) サウジアラビアが中国の支援で弾道ミサイル開発を大幅に加速しているとの諜報(ちょうほう)を、米政府が入手したことが6日までにわかった。事情に詳しい情報筋3人が明かした。中東でのミサイル拡散に歯止めをかける米国の長年の取り組みは窮地に立たされている。
情報筋によると、トランプ政権は当初、この諜報を把握していることを有力議員に明かしていなかった。民主党議員は通常の政府ルートの外でこれを突き止め、政権による報告で故意に除外されていたと結論づけたという。
今回判明した諜報では、サウジが中国からの最近の調達を通じて、ミサイルインフラや技術の拡張を実現したことが示されている。
サウジの取り組みが発覚したことで、議会では中東での軍拡競争の可能性をめぐり懸念が高まっている。イランへの対抗を試みるトランプ政権が事態を黙認していなかったかも懸念されている。
情報筋によると、サウジの究極的な目標について米情報機関は結論を出していないものの、将来的な核弾頭使用をにらむサウジの取り組みはまた一歩前進した可能性がある。
サウジのムハンマド皇太子は、イランが核兵器を入手した場合、サウジも同様の措置を講じると言明。米テレビの2018年のインタビューでは「もしイランが核兵器を開発すれば、我々は間違いなく可及的速やかに後を追う」と述べていた。
サウジは米国製兵器の最大の購入国だが、米国からの弾道ミサイル購入については1987年に発足した非公式の多国間協定「ミサイル技術管理レジーム(MTCR)」の下で禁じられている。
しかしサウジは一貫して、イランのミサイル能力に肩を並べる必要性があるとの立場を取っており、場合によっては中国を含むMTCR非加盟国に支援を求めてきた。