猫の爪切除を禁止、NYで全米初の州法成立
(CNN) 米ニューヨーク州のクオモ知事は25日までに、猫の爪の除去手術を禁止する法案に署名した。法案は今年6月に州議会で成立していたもので、知事室によると署名を受け、即座に施行される。
この種の州法は米国では初めて。ただ、治療目的などの場合は対象外となる。クオモ知事は声明で、「猫はもはや残酷で不必要な措置にさらされない」と述べた。
引っかき防止などを狙った猫の爪切除では、前足の指の先端部分にある骨の一部などが取り除かれる。州知事室はこの手術で足の関節などに負担がかかり慢性的な苦痛につながる場合もあると主張した。
今回の新法については賛否両論がある。米国猫獣医師協会は声明で、ひっかくのは猫の自然な振る舞いとして、選択的な措置としての爪除去に強く反発。一方、ニューヨーク州獣医師会は免疫不全や糖尿病を抱える猫の飼い主にとっては猫の安楽死に代わる選択肢になるとして爪切除を支持している。
新法では爪除去の代替手段については「単純な訓練」とだけ言及するのみで、特定の選択肢には触れていない。米国猫獣医師協会はひっかき用に使う備品の設置、定期的な爪の手入れや合成材料で作った爪の被せ物の一時利用などを示唆している。
猫の爪切除については米マサチューセッツ州の州議員が今年、禁止法案を提案した。外国を見た場合、英国、イスラエルやスイスなど複数の国で違法行為と定められている。