トランプ氏、トルコ配備の核兵器確認の発言か 米政府で初
また、トルコ軍の越境攻撃の開始は米国とNATO加盟国との間の関係のあり方への疑問も招く形となった。1950年代に建設されトルコと米国が共同運営するインジルリク基地は米軍によるシリア内のISISせん滅作戦で重要な出撃拠点にもなっている。
トルコの越境軍事作戦を受け、米国務省と米エネルギー省が同基地の核兵器移送の是非を探る緊急検討を始めたことも17日までにわかった。この問題に詳しい消息筋がCNNに明らかにしたもので、どれほどの速度で移動が可能かなどを見極めるとみられる。
トランプ政権が移送案に賛同するのかは不透明だが、別の消息筋によると連邦議会の与野党議員の間にも同案の検討に賛意を示す声が出ている。
米国は過去にもトルコ内に核兵器を配備したことがある。ただ、1962年のキューバの核ミサイル危機に伴い米国のケネディ元大統領がトルコから核兵器を撤去させてもいた。
トルコで2016年に起きたクーデター未遂事件を受け、米国の核兵器管理の安全についての懸念が浮上してもいた。米軍内では近年、トルコからの核兵器撤去の問題が一貫して取り上げられているともされる。
米国の非営利機関「米国科学者連盟・核情報プロジェクト」の幹部によると、インジルリク基地にある核兵器は2000年時点で90個だったが、その後の約20年で減り続けてきた。ブッシュ(子)元大統領時代の05年ごろには、欧州での核兵器の削減措置に従い約40個が米国へ戻されたという。