米ウクライナ代理大使の議会証言、下院共和党内で「波紋」 情報筋
ワシントン(CNN) ウクライナ疑惑をめぐるテイラー駐ウクライナ米代理大使の議会証言が、共和党議員の間で「波紋」を広げていることが25日までに分かった。複数の共和党筋が明らかにした。テイラー氏の証言によってトランプ大統領に対する弾劾(だんがい)調査の潮目が一変しつつあるという。
議会共和党幹部はCNNに対し、証言がインパクトを与えている理由について、内容が詳細かつ具体的で、テイラー氏個人も尊敬を集めているためだと説明。「交換条件があったことを示す内容だった」と指摘した。
共和党議員の間では証言のインパクトに関して議論が続いているが、共和党が弾劾の検討に近づくかどうかは疑問が残る。
テイラー氏は22日の非公開証言で、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使から、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の希望の「全て」はトランプ氏が要求する公の捜査開始宣言があるまで保留になると告げられたことを明かした。「全て」にはホワイトハウスでの首脳会談やウクライナへの軍事支援も含まれるという。
テイラー氏の証言は、電話会談で交換条件を提示した事実はないとするホワイトハウスの反論を切り崩す形となった。ソンドランド氏の証言内容とも食い違う半面、弾劾調査の発端である情報機関内部告発者の主張については大部分を裏付ける結果となった。
共和党議員の大半は大統領支持を公言しているものの、内々には弾劾調査での擁護を頼まれることに「うんざり」との不満も出ている。
議会共和党の情報筋はCNNに対し、大統領の行動は「擁護しようがない」との懸念が高まっていると指摘。「擁護不可能なことをどうやって擁護すればいいのか」と漏らした。