トランプ氏、クルド人に油田地帯への移住提案 米軍は装甲車派遣も
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は24日、ツイッターでシリア情勢に触れ、同国のクルド人に対して油田地帯への移住を検討するよう呼び掛けた。実際に移住となれば、クルド人は伝統的な居住地から数百キロ離れた砂漠地域に移ることになる。
これに先立ち、国防当局者2人はCNNに対し、国防総省が初となるシリアへの戦車配備を検討していると明かした。ただし他の当局者によると、戦車の運用には大勢の人員が必要となることから、ブラッドレー戦闘車やストライカー戦闘車などの軽量装甲車が派遣される可能性もあるという。
トランプ氏はツイッターで、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の司令官と協議したと説明。「彼は我々がやったことに感謝しているし、私もクルド人の貢献に感謝している。おそらくクルド人が石油地帯に向かうべき時が来たのだろう」と述べた。
トランプ氏が数百万人に上るシリアのクルド人全体の移住を提案しているのかは不明。油田地帯付近ではアラブ系住民が多数派で、クルド人が突如流入する事態を歓迎する可能性は低い。
トランプ氏らは「クルド人」という言葉でさまざまな集団を指しており、そこにはシリアのクルド系住民のほか、アラブ人やクルド人などの混成部隊であるSDF、SDF内のクルド人部隊「人民防衛隊(YPG)」も含まれる。
いずれの集団も伝統的な居住地からの移住に進んで応じる公算は小さい。
トルコは最近、シリア国内での軍事作戦を開始した。米連邦議会の超党派議員などからは、トルコがシリア北東部からクルド人を退去させ、人口構成を大きく変化させようと試みているとの批判が出ている。