フォアグラ提供禁止の条例可決、料理店など 米NY市
(CNN) 米ニューヨーク市議会は30日、市内のレストランや食料品店がフランス料理の高級食材として知られるフォアグラを提供することを禁じる条例を可決した。デブラシオ市長はCNNの取材に電子メールで、条例に署名するとの立場を示した。
条例案はフォアグラを「強制給餌(きゅうじ)の産物」と批判。同案を主導した議員はCNNに寄せた声明で、強制給餌は動物虐待と切り捨てた。 条例に違反した場合、1件につき最高2000ドル(約21万8000円)の罰金が科される。
米国内では無理矢理に太らせたカモやガチョウの肝臓からとる手法が残忍との反発もあり、フォアグラは長年論争の対象だった。カリフォルニア州では2012年に禁止となったが15年に撤回。17年には州高裁判事が禁止を支持し、今年1月には州最高裁が同様の判断を示した。
シカゴ市議会も06年に禁止したが、2年後に撤回していた。
フランスではフォアグラを文化的遺産の1つとして保護している。
フォアグラ製造者や支持者は肥育方法は人々が考えるほど虐待行為でないなどと反論している。カモは移動の飛来に備ええさを詰め込むためフォアグラのための強制給餌に苦しまないとし、カモの食道は伸縮可能とも強調している。
また、フォアグラ製造施設でのおぞましい映像は全体的に見て少数派の手法と主張。カモにえさを与えない場合、肝臓は正常な状態に戻り、害もないなどとしている。食品製造業界ではフォアグラよりはるかにたちの悪い方法がありながら、強い批判を受けないとも反発している。
一方で批判派は、強制給餌は動物虐待であり、肝臓に損傷を生じさせる措置であるとの主張を変えていない。