米国防総省、ISIS指導者急襲作戦の映像を公開
ワシントン(CNN) 米国防総省は30日、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者を殺害した急襲作戦の映像と画像を公開した。
映像は上空のドローンを使って撮影されたもので、バグダディ容疑者の住居に接近する米軍のヘリコプターが複数箇所から小火器で銃撃される様子が映っている。米軍はF15戦闘機と無人機「MQ9リーパー」で空爆を行っていた。
米中央軍のマッケンジー司令官によると、バグダディ容疑者本人であることを確認したDNA鑑定には、同容疑者がイラクで拘束されていた際に採取したサンプルを利用した。
トランプ大統領は27日のテレビ演説で、バグダディ容疑者が最後の瞬間に「すすり泣いて叫んでいた」と語ったが、それについては確認できなかったとマッケンジー司令官は述べ、バグダディ容疑者は「2人の小さな子どもと一緒に穴の中に潜り込んで自爆した」と説明した。
当初、バグダディ容疑者と一緒に死亡した子どもは3人とされていたが、その後2人だったことが判明した。2人とも12歳未満だったと推定される。
トランプ大統領はこの作戦が実行される前にシリアからの米軍撤収を命じていたが、米軍の撤収は作戦遂行の妨げにはならなかったとマッケンジー司令官は強調。米軍撤収と急襲作戦遂行のタイミングは無関係だったとしている。
マッケンジー司令官によると、米軍は現場から文書や電子機器などを回収した後、バグダディ容疑者の住居が過激派の聖地となることを防ぐため、空爆して破壊した。回収した文書や電子機器は、今後のISIS掃討作戦に向けた情報収集のために活用する。