ベト・オルーク氏、民主党指名争いから撤退 2020年米大統領選
(CNN) 米民主党のベト・オルーク前下院議員(テキサス州選出)は1日、2020年大統領選に向けた党指名候補争いから撤退すると発表した。
オルーク氏は支持者に宛てたメールで、来年の選挙には出馬しないと表明。一部の民主党関係者からは、テキサス州上院選で共和党のジョン・コーニン上院議員に挑戦してほしいとの要請が出ていたが、その可能性もなくなった。
オルーク氏は声明で「受け入れるのは難しいが、この陣営には成功裏に前に進む手立てがないことがはっきりした」と述べた。
さらに「私の国への奉仕は候補者や党指名候補になることではない。今これを認めることが陣営関係者の最善の利益にかなう。指名候補者を中心に結束しようとする党の最善の利益、ひいては国の最善の利益にもなる」としている。
選挙戦開始時には高い期待が寄せられていたベト・オルーク前下院議員だが撤退の結末となった/Win McNamee/Getty Images
1日にアイオワ州で開かれる同州での今年最大の民主党イベントの数時間前の発表となった。イベント前の集会の壇上でも、支持者を前に直接撤退を告げた。中には州外から駆けつけた支持者もいて、肩を落とす様子が見られた。
オルーク氏は昨年オバマ大統領との私的な会談で激励を受け、著名テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー氏とのインタビューでも称賛されるなど、選挙戦の開始時は多くの期待が寄せられた候補だった。
事情に詳しい関係者は撤退の判断について、オルーク氏の資金調達の不調が主因になったと明かした。
側近は現状の資金調達ペースを踏まえ、11月討論会の参加資格獲得に必要な広告費をねん出するためには、スタッフの大幅削減などの支出削減策を講じざるを得ないだろうと結論づけていた。オルーク氏の今年7~9月の調達額は450万ドル(約4億8700万円)、期末の手元資金は300万ドルにとどまっている。
オルーク氏の選挙戦が勢いが変わったのは8月。地元テキサス州エルパソで死者22人を出す銃乱射事件が起きたのがきっかけだった。
オルーク氏は選挙戦を2週間近く中断し、復帰時にはアサルトライフルの強制買い取りを含む銃規制措置を強力に支持する立場を打ち出した。これにより伸び悩んでいた選挙戦に勢い出たが、混戦模様の民主党指名候補争いで抜け出すには至らなかった。