米民主党討論会、弾劾決議への言及相次ぐ
(CNN) 2020年の米大統領選で民主党からの指名を目指す有力候補者7人によるテレビ討論会が19日、ロサンゼルスで行われた。前日にはトランプ大統領の弾劾(だんがい)決議案が議会下院で可決。世論を二分するこの問題について、討論会の参加者がそれぞれの見解を述べた。
バーニー・サンダース上院議員は、トランプ氏を「病的なうそつき」と呼んだうえで、「彼の率いる政権は我が国の近現代史において最も腐敗している」と糾弾。選挙時の公約に反して社会保障や高齢者医療保険(メディケア)の切りつめを図っていると非難した。
エリザベス・ウォーレン上院議員も、「腐敗の衝撃」を有権者に示したいと強調し、トランプ大統領について「腐敗の一掃を約束しながらそれを果たさず、あらゆる手段を講じて富と有力なコネを手にしている」と批判した。
討論中、大半の候補者はトランプ氏の弾劾が必要との見方で一致したが、起業家のアンドリュー・ヤン氏は党として弾劾に固執する姿勢は改めなくてはならないと指摘。「ドナルド・トランプこそが諸悪の根源であるような振る舞いをすればするほど、米国民からの信頼を失う。民主党が本当にコミュニティーの実態に目を向け、問題解決に取り組むことができるのか、有権者は確信が持てなくなる」と訴えた。
現政権下で米国経済は力強さを見せており、失業率は過去最低を記録している。このことは再選を目指すトランプ氏にとって追い風となるが、バイデン前副大統領は中産階級がこうした恩恵を感じていないとの認識を示し、「富める者や極めて裕福な層は成長しているが、普通の人々はそうではない。彼らは現状に納得していない」と述べた。
インディアナ州サウスベンド市長のピート・ ブダジェッジ氏もこの点に同意し、「米国経済の最大の問題は、人々の賃金が少ないことだ。これはまずい政策の結果に他ならない。我々は賃金を引き上げ、労働者に力を与えることで現状を変えていかなくてはならない」と語った。