2020年大統領選、ロシアがトランプ氏支援を企図か 議会報告
ワシントン(CNN) 米情報当局が先週行った議会報告で、今年の米大統領選をめぐり、ロシアがトランプ大統領の再選を助ける目的で既に介入を図っていると警告していたことが分かった。事情に詳しい情報筋3人がCNNに明らかにした。
議会報告は先週、選挙セキュリティー対策を統括する当局者の主導で行われたもので、米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。情報筋の1人によると、報告はハッキングやソーシャルメディアの利用、選挙インフラに対する攻撃など、ロシアの試みの全体像を描く内容だったという。
報告に当たった当局者は、ロシアがトランプ氏に肩入れしているのは事実だとしつつも、ロシアの狙いはトランプ氏の支援だけでなく、選挙の健全性に疑念を生じさせる目的もあると説明したとされる。
ホワイトハウスの当局者によると、トランプ氏は退任するマグワイア国家情報長官代行と先週会談した際、ロシアの介入に関する情報を議会報告に盛り込むことを許可したとして、怒りをぶつけたという。
ロシアによる2016年大統領選への介入は、マラー特別検察官の捜査が行われるきっかけとなった。米情報当局は前回の介入について、トランプ氏を後押しする一方で、対立候補のクリントン元国務長官に打撃を与える狙いがあったとみている。今年の選挙に関しても介入の可能性が出てきたことで、外国の干渉に対する米国の防衛体制が改めて試されそうだ。
国家情報長官のポストをめぐり、トランプ氏は19日、腹心のリチャード・グレネル駐ドイツ大使を代行に起用すると発表した。ただ、グレネル氏に諜報(ちょうほう)分野の経験はない。