集会にナチスの旗は「全く予想外」 サンダース議員
ワシントン(CNN) 11月の米大統領選に向け民主党からの指名を目指すバーニー・サンダース上院議員は8日、自身の政治集会でナチスドイツのかぎ十字の旗が振られたことについて、まったく予想だにしない出来事だったとの見解を示した。
5日にアリゾナ州で開催されたサンダース氏の集会では、途中でかぎ十字の旗を広げた男が退場させられる事態が起きていた。サンダース氏の演説中に男が旗を広げると、聴衆はすぐさまブーイングを浴びせ、近くにいた数人が男の手から旗をひったくった。男は警備員によってすぐさま退場させられた。
CNNの番組に出演したサンダース氏はインタビューに答え、上記の出来事について「言葉にするのもはばかられる」「極めて不快」としたうえで「米国人としてまったく予想だにしなかった。まさか大規模な政治集会の場で、ナチスのかぎ十字を見ることになるとは。ひどい話だ」と語った。
旗を振った男は演説するサンダース氏の背後にいたため、同氏が旗の存在を知ったのはステージを降りた後だった。聴衆のブーイングに気付いて後ろを振り返ったりしたものの、その時はそれがナチスの旗だとはわからなかったという。
サンダース氏はナチスのかぎ十字について、米国が反対の立場をとるあらゆるものの象徴にほかならないと指摘。ナチズムとの戦いで大勢の人が命を落とし、ユダヤ人など多くの人々がナチズムによって殺害されたと主張した。
民主党の指名を勝ち取り、大統領選に勝利すれば、サンダース氏は米国で初のユダヤ人の大統領となる。自身はポーランド系ユダヤ移民の血を引いており、親族には第2次大戦中のホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)の犠牲者もいる。
5日の出来事を受け、ソーシャルメディア上には当該の行為を非難する声のほか、警備の強化を求める意見が寄せられている。サンダース氏と民主党の指名を争うジョー・バイデン前副大統領や国内のユダヤ人団体も、ナチスの旗の掲出を厳しく非難するコメントを投稿した。