外出禁止令の中で礼拝続けた牧師、警察が逮捕 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州で30日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため住民に外出禁止令が出ているにもかかわらず礼拝を続けたとして、教会の牧師が警察に逮捕された。
ヒルズボロ郡保安官の30日の記者会見によると、逮捕されたのは同州タンパにある教会のロドニー・ハワードブラウン牧師。不法な集会を行った容疑と、衛生緊急規定に違反した容疑がかけられている。
ヒルズボロ郡は住民に対し、27日以降は食料品の買い出しや通院など「不可欠」な場合を除き、外出を控えるよう指示していた。郡が認める「不可欠」な用事の中に、教会の礼拝は含まれていなかった。
州衛生局によると、フロリダ州で確認された新型コロナウイルスの症例は5200例を超え、少なくとも63人が死亡している。
保安官などはハワードブラウン牧師に対して再三にわたり、教会を休館とするよう促していた。29日には警察が教会を訪れて牧師と話をしようとしたが、面会を断られていたという。
逮捕されたロドニー・ハワードブラウン牧師/Hernando County Jail
同教会はこの日、2回の礼拝を行い、大勢の信者らが集まった様子を動画で撮影してフェイスブックに掲載していた。
保安官は記者会見でハワードブラウン牧師について、「人命を軽んじる無謀な行動で何百人もの信者を危険にさらした」と述べ、そうした信者らと接触した可能性がある何千人もの住民も危険にさらされたと強調した。
これに対してハワードブラウン牧師の弁護士は30日に声明を発表し、同教会は出席者のために手指消毒剤を用意し、スタッフが手袋を着け、館内では各家族ごとに一定の距離を空けてもらうなど特別な注意を払っていたと主張。ヒルズボロ郡と保安官が宗教と教会に対して差別的な対応をしたと訴えている。