米アラスカ州の個人商店、商品補充で毎週14時間のボートの旅
(CNN) 米アラスカ州の人口450人の町にある個人商店のオーナーが、新型コロナウイルスの感染拡大などによって商品の補充が滞ったため、自らボートを繰り出し14時間かけて生活必需品の買い出しを行っている。
アラスカ州グスタフにある「アイシー・ストレート・ホールセール」のオーナー、トシュア・パーカーさんは毎週、スタッフ1人とともに約80キロ離れた州都ジュノーへボートで移動し、食料や生活必需品をコストコで購入している。ボートは軍用の上陸用舟艇を改造したもので、移動には約14時間かかる。
グスタフはグレイシャーベイ国立公園に接する海沿いの町。人口450人の町で食料品を買えるのはパーカーさんの店しかない。
通常はフェリーによって商品が運ばれてくるが、新型コロナウイルスの感染拡大や悪天候によって波止場が損傷したことによってフェリーによる商品の補充が出来なくなった。
別の調達手段を見つけなければ食料品などが尽きてしまう。パーカーさんはこの事態を自らの手で解決しようと決断した。
パーカーさんはCNNの取材に対し、「自分たちにとっては楽しいこと。大したことじゃない。アラスカの人々はとても独立心が強く、才能にあふれている。ここで生き残るためにはそうなる必要があるからだ。問題が持ち上がってもわたしたちは普通、誰かの助けをあてにしたりはしない。ただ方法を見つけ出すだけだ」と語った。
パーカーさんは従業員や地元の漁師と協力して、3月以来、週に1度、ボートによる旅を続けている。
No reason for panic buying. Our supply chain may be occasionally delayed but it’s holding. We’ve got you covered Gustavus!
Toshco - Icy Strait Wholesaleさんの投稿 2020年4月3日金曜日
ジュノーに到着してコストコで品物を購入するとボートに積み込む。帰り道で嵐に遭ってジュノーに引き返すことも何度かあったという。
グスタフの人々は町の活動の継続につながるパーカーさんの取り組みに感謝をしている。しかし、パーカーさんは、新型コロナウイルスの感染拡大の中でも品物が供給されるよう毎日出社している従業員をたたえた。パーカーさんは町が食料品を必要としているなら、そのためにやれることを我々はしているとして、「来年は別の克服すべき問題が持ち上がるかもしれない。そうしたら我々は頑張ってそれに対処する」と述べた。