トランプ氏、コロナ感染拡大を「見て見ぬふり」 ボルトン氏が指摘
ワシントン(CNN) ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、CNNの番組に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大に対するトランプ大統領の対応について、信頼していないと語った。感染拡大当初の対応にも触れ、トランプ氏は中国の習近平(シーチンピン)国家主席に関する悪いニュースを聞きたくないとの考えから「見て見ぬふり」をしていたとの認識を示した。
ボルトン氏はこの中で、「大統領は友人である習主席についての悪いニュースを聞きたくなかった」と指摘。トランプ氏が聞きたくなかった「悪いニュース」として、中国でのウイルスの隠ぺいや、米中通商合意への影響、米経済や自身の再選に影響が及ぶ可能性を挙げ、「これら全ての初期の兆候を見て見ぬふりをしたことが米国の対応能力を損なったと思う。今も損なっている」と述べた。
トランプ氏の新型コロナ対応を信頼しているかとの質問には、「信頼していない」と答えた。
ボルトン氏は、専門家が1月に問題を察知し始めて以降、政権は不安定な対応に終始してきたと指摘。大統領が今後も同じパターンをたどることに懸念を示し、「包括的な戦略の一部になっていない。米国ほどの規模の国であれば、州や地方自治体が大きな役割を担うべきだが、連邦レベルでの対応は一貫していない」と述べた。
ボルトン氏はCNNとのインタビューに先立ち、「The Room Where It Happened(それが起きた部屋)」と題した回顧録を出版した。同書をめぐってはボルトン氏とトランプ政権の間で数カ月にわたり法的な争いが続き、政権は先週、出版差し止めを求める訴訟を起こしていた。
ホワイトハウス側は、ボルトン氏が守秘義務に違反したと主張。機密情報の開示により国家安全保障を危険にさらしたとしている。