米、逃走の中国人研究者を拘束 「ヒューストン総領事館はスパイ網の一部」
ワシントン(CNN) 査証(ビザ)を不正に取得した疑いをかけられ、米サンフランシスコの中国総領事館に逃げ込んでいた中国人研究者が、米当局によって身柄を拘束されたことが分かった。複数の米政府高官が24日、明らかにした。
同高官らはまた、米国の企業や大学、研究センターから知的財産を窃取することを目的としたスパイ網を運営するため、中国政府が各地の外交拠点を利用しているとも指摘した。
身柄を拘束されたのは生物学専攻の研究者、唐娟容疑者。司法省高官によると、23日夜に逮捕された後、カリフォルニア州サクラメントで訴追された。逮捕の状況は不明だが、今のところスパイ容疑では訴追されていない。
米政府は中国に対し在ヒューストン総領事館の閉鎖を命令しており、当局者は今回、閉鎖期限が数時間後に迫る中で身柄拘束を発表した。中国は24日、対抗措置として四川省成都にある米総領事館の閉鎖を命じている。
検察は今週、唐容疑者が米入国のために中国軍とのつながりを隠し、こうしたつながりについて捜査関係者に虚偽の供述をした上、サンフランシスコ総領事館に逃げ込んで逮捕を免れようとしたと述べていた。
検察が提出した法廷文書によると、唐容疑者は6月20日、連邦捜査局(FBI)の事情聴取に対し、中国軍に所属していることを否定した。
しかし、FBIが容疑者の自宅や電子メディアを捜索したところ、人民解放軍の文民部門の制服を着た写真を発見。第四軍医大学の研究者として雇われていたことも判明した。
米当局は24日、テキサス州の研究施設への捜査の一環で、在ヒューストン中国総領事館も捜査対象になっていると説明。領事館の職員が研究者と直接やり取りして、どのような情報を集めるべきか指示していたとの見方を示した。