バノン前首席戦略官ら4人を起訴、国境の壁建設の資金集めで詐欺
(CNN) 米ニューヨーク州の連邦検察は20日、トランプ大統領による国境の壁建設の支援を名目とした資金集めで、献金者から多額の金をだまし取ったとして、トランプ政権の前首席戦略官スティーブン・バノン被告(66)ら4人を起訴した。
バノン被告は同日、コネティカット州東部沖のヨット上で連邦捜査員と郵政公社執行機関の当局者によって逮捕された。沿岸警備隊も逮捕を支援したという。
その後バノン被告はニューヨークの裁判所に出廷し、無罪を主張した。500万ドル(約5億3000万円)を支払って保釈される予定。保釈の条件として、裁判所の許可なく個人所有の航空機やヨット、ボートで移動することを禁止される。
連邦裁判所から出たバノン被告は、付けていたマスクを外して支持者に手を振った。そして記者団に対し、今回の逮捕・起訴について「壁建設を望む人々を阻止する目的だ」と述べた。
起訴状によると、4人の罪状は、「我々は壁を作る」というインターネット上の資金集めサイトに寄付された金を私的に流用した罪など。バノン被告とブライアン・コルファージ被告は献金者に対して、資金集めは「有志の組織」が行い、「調達した資金については全額、我々の使命と目的の遂行に充てられる」と約束したとされる。この組織は最終的に2500万ドル以上を集めた。
だが、検察によると、実際にはバノン被告は自身の管理下にある非営利組織を通じ、100万ドル以上をひそかにコルファージ被告に払い、数十万ドルを私的な支払いに充てていたとされる。
バノン、コルファージ両被告ら4人は通信詐欺およびマネーロンダリング(資金洗浄)を共謀した罪で起訴された。
バノン被告の逮捕から数時間後、トランプ大統領はホワイトハウスでこの件に触れ、資金集めについては「何も知らなかった」などと述べた。