黒人男性が逮捕時に窒息死、関与の警察官7人に停職処分 米NY州
(CNN) 今年3月、米ニューヨーク州ロチェスターで41歳の黒人男性が逮捕時に地面に押さえつけられ、その後死亡した件について、関与したとされる警察官7人に停職処分が下ったことが分かった。ロチェスターの市長が3日に明らかにした。
同市のラブリー・ウォーレン市長は記者会見で、死亡した男性が市の警察官の行動により命を落としたと説明した。停職処分の1日前には、男性の遺族の弁護士によって当時警官が身につけていたボディーカメラの映像が公開されていた。
映像の中で警官らは、感染対策で使用する袋状のフードを男性の頭部にかぶせ、雪でぬれた路上に腹ばいになるように押さえつけた。その後、男性の呼吸は停止した。男性は裸で、手錠をつけられていた。
ウォーレン市長によると、停職処分を受けたのは映像に映っている警官に加え、「事態が起きるのを止める立場にあった」その他の警官も含まれる。これらの警官らに対しては、停職中も給与が支払われるとしている。
市長は当初、警察幹部の誤解を招く説明から、男性が留置場で死亡したと思い込んでいた。死因は薬物の過剰摂取と認識していたという。
遺族が2日の記者会見で明らかにしたところによれば、死亡したダニエル・プルードさんは3月23日、精神衛生に関連する発作を起こし、兄弟のジョーさんが警察に通報して助けを求めていた。
上記の映像の続きでは、救命士が駆けつけてプルードさんに心臓マッサージを施している。その後、プルードさんは担架に乗せられ、救急車で病院に搬送された。ジョーさんによると病院に到着した際、プルードさんは脳死状態で、それから1週間後に死亡した。
弁護士が入手した検視記録で、モンロー郡の検視当局はプルードさんの死を殺人と断定。身体的な拘束に伴う窒息状態による合併症に言及するほか、麻薬の急性中毒も死因に挙げている。
ウォーレン市長は、白人であればこうした扱いは受けなかったとの認識を表明し、「制度的かつ構造的な人種差別がダニエル・プルードの死を招いたことは否定できない。私はこの件に立ち向かい、正義がなされるよう要求する」と述べた。
ニューヨーク州のクオモ知事も映像の内容に強い懸念を示したうえで、この件に関する結論が可能な限り迅速に下されるのを望むとした。